ランナー膝(膝外側痛)のテーピング
- 2020.08.25
こんにちは。
足立区竹の塚にあるわしざわ整形外科 スポーツ整形外科リハビリテーション科 、理学療法士の柴崎と柳瀬です。
今回は、ランナー膝(膝外側痛)に有効なテーピングの方法を紹介します。
ランナー膝とは、マラソン競技者や自転車競技者に多いスポーツ障害であり、主な症状は膝関節の外側、関節の横からやや上方に広がる痛みです。運動の最中、もしくは運動後に図の部位に痛みがある、もしくはそれが悪化して歩いている時や何もしていない時にも痛みが出ているなどの場合にはランナー膝の可能性があります。これは太ももの外側にある腸脛靭帯という組織(図1)が膝関節に擦れて炎症を起こしていることが原因です1)。
今回テーピングは、伸縮性のあるキネシオテーピングというものを使います。
手順として、
1. 図2のように脛の外側から股関節外側(大転子)の距離を測ったキネシオテープを2枚切ります(キネシオテープの両端角を切り落とし丸くしておくと剥がれにくいです)。
2.膝を軽く曲げた状態から、測った位置よりも少し脛の下方から貼り、キネシオテープを軽く引っ張りながら股関節の外側に貼っていきます(図3)。二枚目は少し内側にずらし同様に貼ります。
3.脛を1周するものと(①)、お皿の上縁から5cm程上(痛いところが被らない)に太ももを一周する(②)様に貼るとより剥がれにくくなります(図4)。
緊急対策としてのテーピングは有効ですが、テーピング単独のエビデンスはなく、症状の完治にはしっかりとした治療や、その後の予防が重要です。ランナー膝の治療には、腸脛靭帯のストレッチとお尻周りの筋肉のトレーニングが有効であると報告されています2)。また、何もしていなくても痛みが強く出るようになった場合は、炎症の程度が強いので安静や医療機関の受診が必要となってきます。しっかり対策して、これからのマラソンシーズンに向け・秋の運動シーズンに向け、安全で楽しいジョギングライフ、サイクリングライフを送っていきましょう。
文献出典
1)Khaund R,Flynn SH:Iliotibial band syndrome:A common source of knee pain.Am Fam Physian,71(8):1545-50,2005
2) Fredericson M,Cookingham CL, et al: Hip abductor weakness in distance runners with iliotibial band syndrome.Clin J Sport Med,10(3):169-75,2000
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